ロハス・健康・環境を考える【ビアス】
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今回のインタビュー 軽井沢に息づくエコ企業!利益、顧客満足が第一!でもそこにエコも成り立つビジネスの全貌とは? 第六回グリーン購入大賞「環境大臣賞」を受賞した星野リゾート、リゾートに新しい付加価値をつけたその姿はこれからの企業の手本。消費者には見えざる企業側の取り組みにインタピューしてきました!
インタビュー 株式会社星野リゾート 環境マネジメント担当 塩手 勝久さん
ゴミの計算器を説明してくれている塩手さん「これが導入されて楽になりました」
「環境対策をやろうというと、誰も反対はしないんですよね。でも実際にマインドを変えること、つまり意識改革の動きをまず作りたかった。それじゃあ何かというと、環境といえば、ごみ、エネルギー、水と思い浮かんで、エネルギ−は昔から水力発電を行っていたから、じゃあごみだ!と。それがゼロエミッションのはじまりでした。「リゾート運営の達人」というビジョンはリゾート運営会社としてNo.1になることなんです。これは我々の理念を持続可能にするためにも不可欠なことと思っています。このビジョンの1要素である環境活動についても、社長から他社と差別化するために環境先進度で業界No.1の認知獲得をしなさいと言われました。ゼロエミッションに関してホテル業界では、どこもまだ明確に目標設定してませんでしたから、業界No.1を目指すことにしたのです」

じゃあごみだ!といっても、生ごみが多くでるであろうホテル業で、ごみをゼロにするのは並大抵なことではないだろう。 具体的に何をしたのか?


星野リゾートのゴミ置場の中はとてもキレイ「汚ないと社員のやる気がつづかないでしょう?」
「ごみの計量から始めました。まずは現状把握からです。でも現場は混乱しました。各部署にごみを計るようにいっても計ってくれないんです。初日、計量率50%で、このままではマズイと思いました。3日に一度ごみ置き場にいって、ごみを調べました。そしてどこの部署が計量ができていないか、社長含め部門責任者全員へ一斉メールで送り続けたのです。最初は、塩手というヤツがとんでもないことをやりだしたと言われましたが、こういう情報をオープンにすることで一気に改善も進み3ケ月で軌道に乗りました。

前例のないことは、運営のノウハウがない。それ故、当初苦労があったという。生ごみにまみれてケンカしたこともあったという。しかし、モデルができあがれば次からはやりやすい。
新しく増えた施設(山梨県リゾナーレ、福島県アルツ磐梯リゾート、北海道アルファリゾート・トマム)に軽井沢でのノウハウを導入するのは案外楽だったと塩手さんは当時を振り返る。

分別をわかりやすく表示したパネル
実際に計りに来ました!「いつものことですから。」
「軽井沢は成果がでていなかったので、計量をやってどんないいことにつながるか、みんなわからないんですよ。初めての試みなので実績がないので協力を得るのに苦労しました。3カ月がたち、ごみを計る(各部署でごみを分別し、計量する)ことが普通の業務に組み込まれて楽になりました。流れができればいいんです。」

「あなたは嫌われている時がいい仕事をしてるんだから現場に好かれようと思っちゃダメ、と社長に言われましたが、しかし、最初はつらかった。周囲の反対を押し切って転職した手前『やるしかない!』と思いました。それで、1年目に成果を出すと、周りの人の見方も変わってくる。
『あいつは何かやりそうだ』という雰囲気を作る!そこはすごく苦労しましたね。でも社内の信頼をどう獲得するか、現場の社員も話せばわかってくれるんです。結果『うっとおしい』といっていた人達とも分かり合えたと僕は思っていますよ(笑)」
塩手さんの笑顔の下には、仕事で培われた忍耐が隠されているのだ。

そして業界初『環境大臣賞』を受賞すると、それを新聞がとりあげてくれて、TVの取材がきて、スタッフも『環境って価値あるぞ』と思い始めた。「マインドの変化です。『価値ある事をやり始めた』という明るい風が社内に広がっていくのを感じました」
取り組みを初めて3年目のことであった。

経営への影響
ところで、エコへの取り組みが、経営的にプラスになっているのだろうか?
「確実にプラスになっています。ですが、決して環境はメインではないんです」と塩手さんは断言する。
環境に取り組むことは他と差別化し、ブランド力にもなり、賞をとったら知名度も上がった。しかし、お客様の満足の方が大事である。
だからどうしても環境は後回しになりがちで、そのマインド(エコに取り組もうという熱い気持ち)を維持するのが難しいうという現実は理解でき、塩手さんの苦労が忍ばれる。
さて、具体的にどんなプラスがあるのか?

「環境経営は、リゾート運営会社としての競争力として位置づけています。 従ってそのお客様はホテルに来る方ではなく、投資会社や施設のオーナーなのです。環境経営が経営品質を高めることは理解されやすく、リスクマネジメントのできる会社、ムダなコストを削減できる会社、そういう評価につながるのです。しかし、一般のホテルに来るお客様のニーズにはありませんので、積極的に伝えるのではなくさりげなく伝える程度にとどめています。一方、環境の専門家や自治体、同業他社が視察に来たり、と環境を仕事にしている方々にはニーズが存在しています。そういう方々へはビジネスとして別の商品を作ろうと考えています。その他、会議などをリゾートで行いたい、できたら環境に配慮したところでやりたい、そういう層も着実に増えてきています。まだまだ小さな流れですが、拡大していきたいものです」

心地良くて、エコにも配慮している、となれば共感してくれる人は多いはず。サービスが同じなら環境にプラスになる方にお金を使いたい。しかし期待以上じゃないとお客様は納得しない。
そのバランスが大切なことは、わかってきた。しかし、顧客の満足度とエコとのバランスをどうやってとるのだろうか?その探り方は?
「ご利用いただいたお客様にアンケートのご協力をいただいて、顧客満足度を数値化しています。7段階評価で、+3〜−3まであるのですが、平均2.5とろうというのが目標です。中途半端じゃ来てくれないんです。お客様はどこを重視しているか?どこが重要か?常に顧客満足を把握しながら、エコをやっていきます」

社会的価値がある企業に成長
「一番効果があるな、と感じるのは採用面です。 環境問題に取り組んでいると、やる気のある学生が応募してきます。今や大学で環境を学ばない学生はいません。エコでホテルを選ばなくとも、エコで職場は選ぶ時代になりつつあります。社会的に価値ある企業だと、誇りをもって仕事に励んでくれるのです。環境への取り組みは、マインドが大切だとつくづく感じます。環境をやりたくて入社してくる新人は、環境マインドを十分持っている場合が多く、改めてマインドを育てる必要がなくて助かります」

星野リゾートでは、社員に「ごみ分別ゲーム」というオリジナルのツールを使った研修を行うなど、独自の研修プログラムを開発し、計画的に社員の意識レベルの向上を目指している。

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