そんなたみさんが、運命的ともいえる出会いをしたのは偶然ではないだろう。
1989年「たべものや」が終わって、今まで忙しくてできなかった長い旅行をし、後は大好きなアクセサリーを作りながら暮らそうと考えていた頃だった。
たみさんは、今も関わり続けている天然粘土のスキンケア「ボディクレイ」と出会うことになる。
「パッと見て気に入ったの。なぜだか、これだ!!と思いました」
お父さんが開発した粘土(モンモリロナイト)の化粧品を、後を継いだ息子さんが、知人のところに持ってきた時にたまたま居合わせたのだ。
「市販の化粧品には不信感があって、当時スキンケアには自分で作ったものを使っていたので、粘土はその材料にできるんじゃないか、と。」
いいものはすぐにわかるたみさん。一目見るなり
「これはきっと売れるようになるわよ」
と声をかけた。
それがきっかけで手伝って欲しいということになり、ネーミングやレシピ、パッケージのデザインまで手がけるようになったのだ。
「粘土自体が面白いの。捨てても大丈夫、というところがまず安心だったし。主原料のモンモリロナイトという粘土は千の用途があるといわれ、奥が深く、興味がつきません。
資料を調べると、歴史的、世界的にいろいろと使われてきている事がわかります。生体にいい働きをするらしく、動物や鳥も本能的に癒しに使ってきている例も多いし、人の肌トラブルにも有効みたいです。安心素材、というところがきっかけだったのに、思いがけず治ったとか、改善したなど喜んでいただけることも多くて、嬉しく思っています。
始めて10年ちかくたったけど、未だに新しい発見があるし、それに開発に関わると、自分のこどもって感じでなかなか手がひけないんです」
1998年、自身でホームページを立ち上げ(オーガニックライフサポートSORA)、スキンケアに対するオルタナティブな考え方を伝えながら、当時まだ販売店が少なくて、手に入りにくかったボディクレイの通販を始めた。
「今の多くの商品は、使ってくれる人へのリスペクトがない、勉強不足のまま、間違った情報を出さないで欲しい」
たみさん自身、大変勉強熱心な印象を受けた。難しい質問をされるとこっちも勉強せざるをえないんですとちょっと困った風に笑っていた。
たみさんの選ぶものは、みなステキでどれも間違っていないもののようである。
たみさんの人生も、充実して無駄のない人生のように見受けられる。しかし、
「そんなことないのよ」
とたみさんは否定する。
「いつまでも大人になれなくて、歳をとったら迷わなくなる、というのは幻想ではないかと思っています。今はいい加減に、適当に、でも多少は頑張って、できることだけやっているの。」
迷いながら進んできた姿を覗かせて、たみさんは自身に言うように、
「本当は誰でも『これは自分にフィットしているか?』ということに敏感だったら、正しい選択ができるはずでしょうね」
と語った。
「無意識にでも、いろいろ我慢していると、(本当に自分に必要なものは何か?という感性が)にぶってくるんじゃないでしょうか?ある意味わがままに生きていればいいんじゃないかしら」

現在、たみさんは65才。
新たな人生のステージが始まる予感がして「自分を出し惜しみしないで知ってること、いい情報はどんどん出していこう」という気持ちになったという。年齢を経ていろんな経験を積んできたことを伝えていかなければと思うという。
人に貢献したいという気持ちがあたりまえのように心の中にある。
肌が若々しく、笑顔が素敵。
年を重ねていくのはステキなこと。その姿は輝いていた。