ロハス・健康・環境を考える【ビアス】
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vol.1インタビュー オーガニックライフサポート30年 「私がやってきたお店、扱っているものは、私にとってはなにかを伝えるためのメディアだと思っています」
インタビュー オーガニックライフサポートSORA主催 川内たみさん
現在、「オーガニックライフサポートSORA」
http://www.organic-sora.com/
を主催する川内たみさんは、自身が直接開発に関わった天然粘土のスキンケア「ボディクレイ」をはじめ、オリーブの石鹸など、体に良くて安心して使える「買う人の立場で始めた生活雑貨」をネットでも販売している。
最初のきっかけは、子供をみながら家でできる仕事をと思って始めたアクセサリー作りだった。
それが手作りブームにのって評判を呼び、手作りのアクセサリー以外にも、気になるものは何でも、という雑貨の店・ジャムハウスを開設する。
この店で人と物との関わりを深く考えさせられたことが、その後エコロジー問題に関わる原点になっているという。
その後、その場所に集まってきた人たちと共に西荻南口に 70年代カウンターカルチャーの拠点となった「ほびっと村」を立ち上げ、時期を同じくして、女性達8名でオーガニック系レストラン「たべものや」をオープンするなど、人と人とのつながりを大切にしながら女性の立場で物を見つめてきた。 主義思想が先にあるわけではない。
「当たり前というか、自然な暮らし方をしたい、美味しいものを食べて楽しく生きていきたい、納得できるお金の稼ぎ方をしたい、と考えたら、自然にこういう形になった」と語る。
その暮らしぶりとは、一体どんなものなのだろうか?
現在の住居は元米軍ハウスの借家である。
前入居者は後釜を友達に託して引越し、次の人も友達であるたみさんに託して引っ越した。
友人同士で3代住みつづけている。
大家さんの手が入らず、勝手に改装していいという。壁は自分達でペイント。暖炉があり、家の中にはたみさんお気に入りの日用品が並ぶ。

家の周囲は、ベトナムの天日塩を扱う友人、長年のニューヨーク暮らしから帰国したイラストレーターの友人、大道芸の若者たちがたみさんに引き寄せられるように家を借りて住みだした。

たみさんには人をひきつける力があるようだ。
ジャムハウスをやっていた時分、
「駅前のビルを若い人の集まる場所にしたい」
という相談を受け、ほびっと村がはじまるのであるが、しばらくして仲間の女性達と北口のジャムハウスの跡に「たべものや」をオープンさせた。たいへんなエネルギーである。

「ほびっと村には、自主講座というか自分達の学校があったんだけど、そこの女のグループの集まりにでていて、女同士の率直なつき合いの心地よさを知ったこと、でも、当時の状況では、彼女たちがそのパワーを出し切れないでいることを痛感し、もったいないなあ、女性が主体的に自分たちのペースでのびのびと仕事できる場を作れないかな、と考えたんです。
さて、何をやろうか?って考えた時、どのメンバーにとってもリアルな関心がある食べ物やがいいんじゃないかって」
開業資金は一口5000円の出資金を公募して集めた。自分たちも出せる人は出したし、知らない人たちも出資してくれたので、みんな同じ立場、というところから始めることができたという。

だから、たべものやには社長がいなかった。皆で何でも話し合って決めたという。
「給料も毎月の決算をもとに皆で話しあって決めました。最終的には働いた時間とその人の必要度、というのが判断基準になったけれど、初めは、すったもんだでなかなかたいへんだった。「わたし十万円必要」って言っても皆が納得しないともらえないんです」
「たべものや」は、それぞれの立場を思いやり、なおかつわがままに自分を生きる関係をつくれた場所。
たみさんの理想とする世界がちょっと見えたような気がする。
自然食に関心が低かった当時、たべものやは無農薬有機栽培の食材を使い、玄米でメニューを作った。
そこまで食べ物にこだわった理由は何なのだろうか?
「ウーン、こだわってたというより、美味しいもの、食べたいものを選んでいったら、そういう食材になっていた、と言う感じで、私達は、こういう食べ物をことさら自然食とよぶ状況の方がおかしいんじゃないかと思っていました。
添加物が入ったり、きれいに精製しすぎた食べ物は「違うんじゃないの?」と思ったし、そういうものにノーと意思表示したかったし、、」
人や世界と繋がりながら、気持ちよく生きていきたいと思うなら、当然エコロジーにも無関心ではいられなくなる。
たみさんのエコロジーは、消費者の立場に立った運動である。
デモをしたり、署名をするわけではない。
「私達が何を買うか(消費者の選択)で、世の中が変えられるんじゃないか?」
ずっとそう思ってきた。そして、そういう消費者に応えられるような商品を提供したい、と思っている。
「一人一人が、遅々としても ちょっとずつでも変わっていけば、大きな流れになるはずと信じてやってきていたんだけど、、、」
今、イラクの戦争で無力感を覚え、だいぶしょげていると語る。
しかし、個人の立場で、世の中を変えていこうという姿勢はかわらない。
やっていることや扱う商品を通じて、なにか今までとは違ったセンス、大げさにいえば違った生き方につながる感覚を伝えていければ、と願っているという。
そんなたみさんが、運命的ともいえる出会いをしたのは偶然ではないだろう。
1989年「たべものや」が終わって、今まで忙しくてできなかった長い旅行をし、後は大好きなアクセサリーを作りながら暮らそうと考えていた頃だった。
たみさんは、今も関わり続けている天然粘土のスキンケア「ボディクレイ」と出会うことになる。

「パッと見て気に入ったの。なぜだか、これだ!!と思いました」
お父さんが開発した粘土(モンモリロナイト)の化粧品を、後を継いだ息子さんが、知人のところに持ってきた時にたまたま居合わせたのだ。
「市販の化粧品には不信感があって、当時スキンケアには自分で作ったものを使っていたので、粘土はその材料にできるんじゃないか、と。」
いいものはすぐにわかるたみさん。一目見るなり
「これはきっと売れるようになるわよ」
と声をかけた。
それがきっかけで手伝って欲しいということになり、ネーミングやレシピ、パッケージのデザインまで手がけるようになったのだ。
「粘土自体が面白いの。捨てても大丈夫、というところがまず安心だったし。主原料のモンモリロナイトという粘土は千の用途があるといわれ、奥が深く、興味がつきません。
資料を調べると、歴史的、世界的にいろいろと使われてきている事がわかります。生体にいい働きをするらしく、動物や鳥も本能的に癒しに使ってきている例も多いし、人の肌トラブルにも有効みたいです。安心素材、というところがきっかけだったのに、思いがけず治ったとか、改善したなど喜んでいただけることも多くて、嬉しく思っています。

始めて10年ちかくたったけど、未だに新しい発見があるし、それに開発に関わると、自分のこどもって感じでなかなか手がひけないんです」
1998年、自身でホームページを立ち上げ(オーガニックライフサポートSORA)、スキンケアに対するオルタナティブな考え方を伝えながら、当時まだ販売店が少なくて、手に入りにくかったボディクレイの通販を始めた。
「今の多くの商品は、使ってくれる人へのリスペクトがない、勉強不足のまま、間違った情報を出さないで欲しい」
たみさん自身、大変勉強熱心な印象を受けた。難しい質問をされるとこっちも勉強せざるをえないんですとちょっと困った風に笑っていた。
たみさんの選ぶものは、みなステキでどれも間違っていないもののようである。
たみさんの人生も、充実して無駄のない人生のように見受けられる。しかし、
「そんなことないのよ」
とたみさんは否定する。
「いつまでも大人になれなくて、歳をとったら迷わなくなる、というのは幻想ではないかと思っています。今はいい加減に、適当に、でも多少は頑張って、できることだけやっているの。」
迷いながら進んできた姿を覗かせて、たみさんは自身に言うように、
「本当は誰でも『これは自分にフィットしているか?』ということに敏感だったら、正しい選択ができるはずでしょうね」
と語った。
「無意識にでも、いろいろ我慢していると、(本当に自分に必要なものは何か?という感性が)にぶってくるんじゃないでしょうか?ある意味わがままに生きていればいいんじゃないかしら」

現在、たみさんは65才。
新たな人生のステージが始まる予感がして「自分を出し惜しみしないで知ってること、いい情報はどんどん出していこう」という気持ちになったという。年齢を経ていろんな経験を積んできたことを伝えていかなければと思うという。
人に貢献したいという気持ちがあたりまえのように心の中にある。
肌が若々しく、笑顔が素敵。
年を重ねていくのはステキなこと。その姿は輝いていた。
川内たみ
アクセサリー作家、雑貨屋経営、自然食レストランを経て、現在、インターネットサイト「オーガニックライフサポートSORA(http://www.organic-sora.com/)」で、スキンケアなどについて、メーカーの押しつけでなくユーザーが主体的に使えるようなもう一つの考え方を紹介。
商品プロデュース、コンサルティング等のほか、SORAでは自身の関わった商品などの通販や卸もやっている。
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