「藍はね、生きているんだよ。」
「だから、天気や温度やその日によって染まり方が違うんだよ。」と丸山さん。
なるほど、同じものは二度とできないってことですね。
はて、そういえばなぜ丸山さんは藍染めをはじめたのでしょうか?
「きっかけは、型染めを教わってる先生のアトリエに藍釜があって、ちょっとやってみよっかな、って。
軽い気持ちで布をつけてみたら、藍と思っていたのに浸けた液から引き上げた布が藍色じゃない!若草色に染まった布だったの。で、それが空気に触れていくうちにどんどん藍色にかわっていったんだ。その様子に感動してしまった所からどっぷり藍染めにはまってしまった。」
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え〜、そんなこの藍の中に入れたら緑色になるなんてホントですか〜?
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「ね〜?毎回のことなんだけど、その変化発色の様子って毎度感動できる。
空ににてるかなってね、二度と同じ空がないっていうのと一緒で、二度と同じ藍色にならない。っていう一期一会って言葉を噛み締める瞬間だったりするんだよ。」
なるほど、服やものに対して、“一期一会”って気持ちがあるなんて、気づきませんでしたよ。
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ちょっと調子づいてきた私が藍の中でTシャツをじゃぶじゃぶやっていると・・・。
私は、つけていた藍の中に手を突っ込みすぎて、手袋の中まで藍が〜!!!??
あああ〜!!
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手は真っ青に染まってしまいました。
ですが、これも一期一会だと思って、素手で染めをしてみました。
とろり、とした藍の感触が冷たくて、藍の華にさわるとやわらかくて、不思議な感触。
高台にあるこの場所に気持ちいい風が吹くたびに染めた布たちがヒラヒラと舞い、静かに色づいていく息づかいが聞こえそうです。
「染めをしている最中は“無”。雑念が入るとね、それはすぐ結果に現れるからとにかく集中。って言っても集中してるっている意識を持ってやってる訳じゃないんだけど、染めしてる最中は何も考えてないし周囲の音も聞こえてないっていう感じかもしれない。
ダラダラやってもダメ、急いでもダメ、自分の呼吸を整えてある程度ゆったりして取り組むのが一番なの。それは染めの全行程に言えることだとあたしは思うんだ。」
なるほど〜。確かに、はじめて今日染めを体験しましたが自分の呼吸を整えて、藍釜に布を入れたり、取り出すときに、また息を整えてみたり、自分の呼吸を大切に自分のテンポで自然にすすめていたことに気づきました。
その心地よさ。
それは、自分の呼吸を通して自分を感じた時間だったのかもしれません。
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そして、後は自分の感じたままの藍色になるように、心の中で声をかけながら、何度も染色します。
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古き良き、そんな言葉がよぎった一瞬。
わたしたちの側では目を細めた猫が私たちの作業を静かに見ていました。
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