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ライフスタイルコラム毎月1日更新 信州・たぁくらたぁの泥つき通信 野池元基「たぁくらたぁ」とは長野県の一部で使われる方言で「しょうがねぇやつ」「のんきもの」など、本気で怒るときも
愛情を込めてやさしくたしなめるときにも使われます。
野池さんがそんな「たぁくらたぁ」たちの事柄を環境をテーマに信州の暮らしに至るまでお伝えします。その2
マンモス店舗がやってくる

上杉謙信と武田信玄は川中島で12年間に5回の合戦を繰り返した。その度に田畑は踏み荒らされ、農民は悔し涙を流したことだろう。それでもまた稲を植え作物を育て、収穫の喜びを分かち合ったに違いない。

あの時代から何100年も経た現代、人々の命を継いできた農地はどんどんコンクリートの下に葬られていく。広い道路があけられると、それに沿って郊外型の大型店舗が次々にできる。そして、人工的で画一的な風景が増殖する。川中島平もその例に漏れない。

しかも、それに歯止めがかかるどころか、いまマンモス店舗の進出計画が持ち上がっている。外国での植林を環境貢献として宣伝する某企業が計画するものだ。
謙信と信玄が一騎打ちをした川中島古戦場からはわずか2キロほど。敷地面積は19ヘクタール、野球のグランドなら19枚分になる。敷地の片側にスーパー、もう片側にホームセンターやシネコン、それを閉鎖型のモールでつなぎ、そこは飲食店や専門店など100店舗、駐車場は数千台分もの規模になるという。畑に棲むコオロギやバッタはこのことを知っているのだろうか?

川中島は長野市の南部にあたる。長野市の市街地をはさんだ北部の郊外にも4つの大型店舗計画がある。
4つ合わせた敷地面積はこのマンモス店舗とほぼ同じで、5つを全部合わせれば44ヘクタールだ。もちろんどの予定地もほとんどが農地である。

44ヘクタールがすべて田と仮定して、いったい何人分の米を自給できるか計算してみると(10アール当たりの収穫量500キログラム、一人当たりの米の年間消費量60キログラム)、3700人分ちかくになる。小さな村ならまるまる自給できてしまう量である。

生活に必要な物をそろえるのに、もう店は十分足りている。新しい大型店ができたからといって、値段が10円安い、100円安い品物が手に入るというレベルの話だ。世界的な食糧危機の時代に、バカげている。この大型店にも「環境にやさしい有機野菜コーナー」なんてものがきっとできるのだろう。いやはや。

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