会社勤めをしながら通い続けた,宇井純氏の「自主講座・公害原論」で、「公害企業の加害者は、革靴で素足の被害者を踏みつけているようなもので、人の痛みが分かりづらい。」と言うことを学び、この時代に働くと言う事は、自分が知らぬ間に、加害者になり得るのだということを改めて思い知らされました。
そんな折、物事を原点に返って見直してみた時、農林業をはじめ田舎の自然が、都会の暮らしを支えている事が見えてきて、自給自足的な手仕事を中心とした暮らしに魅かれるようになって行きます。
人が生きて行く上で、最も基本となる食。その食とは切っても切れない器作りの仕事。私が出会った焼き物作りの仕事とは、小さな循環型社会の中で 農林業の言わば廃棄物を「結い」による相互扶助の下で見事にリサイクルさせて成り立ってきた人類古来からの仕事です。この仕事ならば、気づかぬうちに人を踏みつけるような事も無いだろう、そう考えて京都の陶工専修職業訓練校に学んだときは24歳、職人人生のスタートとしては遅すぎると言われながらも、ようやく見つけた自分の生き方に毎日が楽しくて仕方がなかった事を思い出します。
あれから30年、地域限定だった公害問題が、大量生産、大量廃棄に伴う化石燃料の使用拡大によって、今では地球温暖化問題として世界中に拡散されてしまいました。
奇しくも、この原稿を手がけていた今日、小諸の山麓地帯にピンポン球大のひょうが降り、農作物に大きな被害がありました。この地に住み始めて27年、初めての経験です。これも地球温暖化が原因なのでしょうか。
途上国と未来世代への加害者で終わらない為にも、「手仕事のスピードで暮らす」脱温暖化型社会への移行が急がれます。
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