エコ住宅は、環境にやさしいというだけでなく、風土に溶け込み個性的で美しいことを豊富な写真構成で教えてくれる。
環境に関心をもちなにか出来ることに取り組もうと考えたとき、もっとも身近で大きな成果を体感できるのは、自分自ら住む家であろう。
環境にやさしく、エネルギー効率にすぐれた住宅を建て、そして快適に暮らしたいと考えたとき、今のエコ住宅といわれる住宅を見渡してみると、ソーラー発電を屋根に設置した住宅に代表されるように、最新技術でエネルギーを自給することに主眼がおかれているように思えるし、まだ圧倒的に情報が不足しているという現状を感じてしまう。
住宅単位でエネルギーを自給することは、環境問題の解決の大きな糸口にもなるだろうし、持続可能な社会に転換していく上で不可欠だろう。
しかしながら、エネルギー自給システムを優先させただけの風土に関係なく均一化されたエコ住宅は、住宅構造的もどれも似かよって見え、今の大量生産・大量消費の流れとあまり変わらない部分も見え隠れしてしまう。
本書は、“デザイン”、“ケーススタディ”、“表面材と仕上げ材“、”実践のヒント“で構成されている。
“デザイン”では、住宅に基本的に求められる要素として、敷地と方位、建築構え造、換気、エネルギー効率などをエコ住宅として求められる基本的な考え方を示し、さらに、地域と気候、その場所により優先される要素が異なること、例えば暑い地域では、換気と日陰をつくることが必要であり、そのためのアイデアに満ちた手法や実施例が美しい写真で表現されている。
“ケーススタディ”では、世界中のそれぞれの場所や地域の現状に根ざしたエコ住宅の事例が見るだけでも楽しいインスピレーションに富んだ写真で紹介されている。
ハイテクとローテクを組み合わせたストローベイルハウ、無数のサボテンに囲まれ現地の土を原料につくられたラムドアースの壁の家、緩やかに傾斜した森林に建つ樹木のように垂直な家など、エコ住宅は景観に溶け込み“見た目にも美しい”ということを実証している。
この日本はその大半が温帯気候とはいえ、国土が南北に長い島国であり地形も複雑で大陸や海洋の影響もあり、亜寒帯から積雪数メートルを超える地方と気候とさまざまであるし、さまざまな風土に適したエコ住宅を考えるとき、そのアイデアを本書に見出すことが出来るだろう。
|